ディレクションの意味
今回は近年需要が増しているディレクション、ディレクターについて説明します。
弊社ニューはシステムディレクターの領域を主戦場にお仕事しており、日々の業務や求められるスキルや動き方からここで書く内容にたどり着きました。
まだまだ磨く必要はありますが、実体験が伴った一定の説得力ある内容になっていると思います。
システムエンジニアでキャリアに悩んでいる方、Webディレクターで雑用と言われ悔しい思いをされている方など、困難に直面している方々の参考になれば幸いです。
市況
弊社が創業して依頼、お仕事の相談は相当数頂いています。採用がまだ上手に進まないこともありお応えできていない状況が多いのですが、今後どんどん重要になってくる仕事だなということはひしひしと感じています。
時間ない人向けのまとめ!
時間のない方はこちらをサクッと読んで離脱してください!
ディレクションスキルは「仕事を進めるための能力」を指します。
また、マネジメントやリーダーシップと混同される件ですが、密接に関わるものの違うものです。
ディレクションの中でマネジメントすることもありますし、強いリーダーシップが求められます。
リーダーシップは役割やスキルではなく、個性です。
ディレクターと呼ばれる人たちは「仕事を進める」ことを生業にしている人々です。
仕事を進めるには「こうしたい!」という意思が必要で、その思いを一緒に働く人たちに反映させる必要があります。
そのため、ときには現場に降りていき細部にも自分の意思を反映させに行きます。
ディレクターとはまさに「指揮官」であり「演出家」でなければいけません。
課題感
では、ここから詳細に入ります。
「ディレクション」や「ディレクター」でGoogle検索すると多くのページがヒットしますが、マネジメント・リーダーシップ・経営などと混同されて語られることが多いように見受けられます。
さらにこのような曖昧な定義が、ディレクターとして働かれている方々自身の中にも潜んでいるのではないかと思います。
結果、
- どんなスキルを伸ばせばいいのか
- どのようなキャリアプランを描けばいいのか
などが不明瞭で、自身が周りに対してどのような価値提供ができているのか自信が持てない状況が見受けられます。酷いケースだと「雑用」と言われ反論できないなんて悲しいことが起きているようですね。悲しいです。
このような現状は「ディレクションの意味や正体が分からない」ことに起因していると思うんです。
そのため、この「ディレクションの意味や正体が分からない」という課題をここで多少なりとも明らかにし、「ディレクター」がどんな人でどんな価値を提供する人なのかヒントになればと思っています。
ディレクションの意味
英単語「Dirction」の意味はこちら。
主な意味
方向、方角、方位、方面、(思想などの)傾向、動向、動き、指揮、指導、監督コア
導き導くコースだと「方向,道筋」,導く指示だと「説明,指示」,導く行為だと「指導,監督」などの意になる
weblio:https://ejje.weblio.jp/content/direction
英単語は概念だったりするのでコアの「導き」をイメージとして持つことをおすすめします。
では巷で言われる「ディレクション」とはなにか。弊社の結論はこれです。
必要な関係者を巻き込み、ゴールを指し示し導くこと。
ディレクションする場合、必要な関係者の洗い出しをすることも多々あります。
その関係者に自分のやりたいこと、つまりゴールを伝え協力してもらい、描く結果を実現するのがディレクションです。
※さらに詳細にご興味あればこちらもご覧ください。
https://neu-inc.co.jp/introducedir?posi=blog
そのため、ワイヤーフレームを作ったり、デザインの細かい部分やプログラムの実装まで口を出すこともありますよね。
ここがマネジメントと異なるところで、マネジメントは管理が主目的ですので細かい部分は任せることが多いと思いますし、もし口を出している人がいればそれはディレクションしていると言えます。
また、当然ながらリーダーシップは求められます。ゴールを指し示すのはまさにそれです。
マネジメントやリーダーシップとの混同についてはこのあと説明しますね。
<蛇足>リーダーシップについて
少し逸れますが、リーダーシップの強弱は時間軸の長短です。強力なリーダーシップほど遠い未来の大きな目標を多くの人に伝えることができますし、駆け出しであれば目の前のタスクや案件のゴールを目指しチームの数人に伝えるだけかも知れません。
言えることは、小さくてもリーダーシップを発揮していけば少しずつ遠くの未来を描き伝えられるようになるということです。
必要とされるスキルとは
スキルのベースとなるマインド・姿勢に触れなければいけません。マインド・姿勢によってスキルの伸びる方向や幅は大きく変わります。
マインド・姿勢
主体的であることです。すごく簡単に言うと「こうすべきだ!」と自分の思いがあり、周りをも巻き込んでしまうような性質です。
この姿勢はものごとをどれだけ深く考えられるかに密接に関わっています。
意見や思いがなく他人事だと、深い思考は得られないことが経験上明らかになりました。
そのため、このマインド・姿勢はスキルが乗るOSとも言え、このあとのスキルを身につける必須条件と言っても過言ではありません。
マインド・姿勢はもっと大きく「どう生きていくか」というような個性のようなものだと思いますので、向き不向きも大きいことは事実だと思います。
スキル
必要なスキルは大きく分けて以下の4つです。
- 専門性
- 情報を正確にインプットするスキル
- 情報を上手に処理する=思考するスキル
- 情報を正確にアウトプットするスキル
※弊社では専門知識をハードスキル、残りの3つをソフトスキルと呼んでいます。さらに興味のある方はこちらをご覧ください。(ちょっと内容が散らかっていて恐縮です…)
要約版→https://neu-inc.co.jp/blog/?page_id=37
全量版→https://neu-inc.co.jp/blog/?p=120
各スキルについては長くなるので省略しますが、1についてはシステム開発やデザイン、マネジメントといった自分の専門領域は必須です。自分はこれが得意だと言えるものですね。
次に、2,3,4ですがどれも密接に関わっていてどれもバランスよく必要です。
正確にアウトプットするには正確な情報収集と思考が必要ですので、どれが欠けても全体的な品質は落ちます。
弊社は2,3,4のばらつきがディレクターの品質のばらつきに繋がっていると考えており、育成に力を入れております。
ご興味あればこちらをご覧ください。
スキルまとめ
ここまで読んでみていかがでしょうか。
いま上げたスキルはどんな仕事でも求められるスキルではありませんか?(同時になかなか難しい要求でもありますよね)
そもそも人間の頭の中は0,1のデジタルではありません。ネットワーク的にさまざま情報が繋がり合っています。
そのように考えたとき、ディレクションスキルを一言でいうと「仕事を進めるための能力」なのです。
ディレクターとは
さて、ここまで「ディレクション」について説明してきましたので、あとは簡単です。
「ディレクター」とはディレクションする役割の人です。仕事をゴールにすすめるための役割です。マネジメントする役割の人がマネージャーであることと同じですね。
極端ですが、関係者がスーパーマンだとディレクターは不要な役割です。
みな仕事を進めるための能力が高ければ、リーダーがいれば勝手に走ってゴールしてしまいますから。
なお、「ディレクター」と言ったとき、プロジェクトマネージャーのように決まった期間の中での役割を指すことが多いと思います。
よく人気漫画のキングダムで例えるのですが、戦の中の「隊長」「将軍」に近いです。
戦に勝つために士気を上げたり、苦戦している局面に直接戦いにいき、戦が終われば役割としても終わりです。
比較的近い未来を目指すことが役割なのではないかなと感じます。
肩書として「ディレクター」と名乗っている人はたくさんいますね。これを書いている僕もシステムディレクターを名乗っています。他にもさまざまあります。
- Webディレクター
- クリエイティブディレクター
- 映像ディレクター
- 制作ディレクター
- アートディレクター
このような人たちは肩書の頭につく領域でディレクションする役割を生業にしている人たちです。
実は英語で「Director」は会社役員を指します。
会社経営をディレクションする役割の人と考えると、つじつまが合いますね。
マネジメント、リーダーシップとの混同について
最後にこの切り分けを明らかにして終わりたいと思います。
はじめに言っておきたいのは、どれも密接に関わっており切り離して考えるのはあまり意味がないということ。
人間の脳の仕組みは膨大なネットーワーク的つながりが基本仕様です。そのため、性質を理解しておくことが重要だと思います。
用語 | 説明 | 役割名 |
リーダーシップ | マインド・姿勢であり、その人の個性。 スキルが乗っかるOSと考えるとわかりやすい。 | リーダー |
マネジメント | 決められたゴールを達成するために管理すること。 管理の対象には人間も含まれるので、リーダーシップも、場合によってはディレクションすることも必要。 | マネージャー |
ディレクション | ゴールを設定して隅々まで自分の意思を反映させながらゴールを目指すこと。 ゴールするためにはマネジメントも必要だし、リーダーシップが求められる。 | ディレクター |
マネージャーとディレクションの違いがちょっと分かりづらいのですが、映画監督で考えると比較的分かりやすいとと思います。実は映画監督を英語で「Film director」と言います。ディレクターなんですね。
映画監督は実現したい世界観を持っています。スティーブン・スピルバーグなど分かりやすいですよね。
その世界観を実現するために、1シーンごとにカメラワークから照明、セリフまで指示を出します。自分は俳優ではないけれど、映画作りという専門性をバックボーンにどんどんアイデアを出すわけですよね。
俳優さんやスタッフもそれに応えて、一緒に世界観を実現する。
マネージャーの場合、実現したい世界観は上から降りてくるものですよね。そこにゴールするにはどうしたらいいのかを考え実行するのがマネジメントなのです。
ただし、明確に切り分けるのは無意味です。概念として理解し、自分が相手にどんな価値を提供しているのかを理解することがなにより大事だと思います。
さいごに
いかがでしょうか。
「ディレクションの正体」の輪郭がハッキリしましたか?
困難に直面している人にとって、自分の提供している価値がなにか気づく手助けになれば最高にうれしく思います。
さらに詳細はこちらもご参照ください。
https://neu-inc.co.jp/introducedir
おわり