自分の「価値」を高めるためのシンプルな考え方
とても曖昧な「価値」について、ここで書くことにします。
仕事をする上で、自分の「価値」を意識するのはとっても大事だと考えています。
仕事の本質は価値の交換なので、自身のキャリアや収入に大きな影響を与える要素だと思いますが、意識されずに働いている方が多いように思います。
これを読んで少しでも気にしてくれる人が増えると幸いです。
ここで言いたいこと
価値を高めるにはこのように分解すると分かりやすいと考えています。
価値の高さ = できること × ポジション
両方を高めていく作戦もいいですし、難しい場合はどちらか一方を高めることで価値を高められると思います。
この公式を意識すると、自分の「価値」の高め方が少しクリアになりませんか?
前置きから始めますので、結
着想
僕はサッカーが好きなんですが、サッカー選手が活躍するかどうかってこの考え方だなってすごく思うんですよね。
サッカーって個人スキルとポジショニング(プレーする場所)の両方が大事なんです。
個人スキルはサッカー技術ですね。「止める蹴る走る」が基礎技術と言われたりします。当たり前ですが、プロサッカー選手は転載中の天才。ネットやテレビで観戦する試合の選手たちは
それからポジションニング。プレーする場所という意味です。
広い意味でのポジショニングは所属するリーグ(国)やチームです。
スター選手がチーム移籍した途端に活躍できなくなるということが多々あります。それは国の文化に合わなかったり、チームの戦術に合わなかったり、所属する選手たちとの相性が悪かったり色々原因があると思いますが、どこでプレーするかっていうのがとても大事な例だなと思います。
狭い意味でのポジショニングだと、試合中のプレーする場所です。
例えばFWという攻める役割の選手の中には、他の選手に比べてすっごい下手な人とかいるんですよ。(一般人の僕が言うのもすごく失礼なんですがファン目線で…)
でも上手な選手に比べてたくさん点を取って大活躍する。
他の役割の選手にも言えることですが、活躍する選手というのはポジショニングがすごく上手。
この構図って、チームで成果を上げていく普通の仕事にも同じことが言えるんじゃないか、と思ったのが着想、というお話。
価値が高まるとよい循環が生まれる
価値が高まれば質の良いお仕事がもらえる確率が高くなります。また、収入アップの可能性が高まります。つまり、スキルアップと収入アップに繋がるということです。どちらが先になるかは状況によると思いますが、よい循環が生まれることは間違いありません。
「価値」とは
まずはじめに「価値」がなにかを書きます。
価値は、なにかを"必要とする人"となにかを"提供できる人"が出会って、その"なにか"が一致した時に生まれますよね。
人類はお金が誕生する前は物々交換で価値を交換してたみたい。
その野菜とうちの魚をこれぐらいの量で交換してくれって。それで双方納得したところが適正な価値なんですよね。
これが「価値」の基本。
"必要とする人"と"提供できる人" が交換するモノ
面白いなと思うのは、「価値」が人によって違うところです。
貿易業は「価値」のギャップを利用したビジネスで、ある人や場所にとっては価値がなくても、別の人や場所にとっては価値があるわけで、それを利用してビジネスする。
「価値」は相対的なモノということです。
「価値」は交換相手がいて生まれるもの
価値は相対的ですから、必要とする人がいないと価値はありません。
僕のSES業界で説明します。
IT業界に賛否両論あるSESというビジネスは、システム開発を受注したA社の開発現場でB社の従業員がエンジニアとして働き、B社がA社から単価という形で毎月お金をもらうモデルです。
月額の派遣のようなものをイメージしてもらうと分かりやすいかなと思います。(すごく単純化してますので異論反論はご勘弁)
A社はB社のITスキルにお金を払っています。
B社はITスキルをA社に提供することでその対価を払っています。
これで価値交換が成立します。つまり、「価値」が発生します。
お取引が成立して以降B社は、求められるITスキルを継続してA社に提供していかないと契約解除となります。(=支払った対価分の価値がないとA社が判断する)
交換する相手がいてはじめて、「価値」という考え方が生まれます。
価値を高めるための考え方
さて、本題です。
僕はシンプルにこのように考えています。
価値の高さ = できること × ポジション
言い換えると、武器を適切なところで使う、ということですね。
変数「できること」「ポジション」の2つで価値が決まると思いますので、それぞれ要素を説明していきたいと思います。
できること
シンプルですが、できることを増やしたり伸ばしたりすることで価値を高めることができると思います。自分との闘いですので、人によっては容易な方法ですね。
僕は、各々ができることの中にスキルとそれ以外があると思っています。後者はなかなか難しいかも知れませんが、スキルは努力次第で獲得できます。
スキル
スキルとはこちらに記載しているソフトスキル、ハードスキルを指すと考えています。ディレクターのスキル定義としていますが、実はディレクターではない職業にも当てはまる汎用的な構造だと考えており、参考になればと思います。
ソフトスキルについては本筋から少しそれるので省略します。
分かりやすいハードスキルですと、いわゆる専門スキルなわけですが、その中でざっくり分類するとスペシャリスト型とジェネラリスト型に分かれると思います。
(スペシャリストはハードスキルに偏り、ジェネラリストはソフトスキルに偏る、そんなイメージですかね)
注意しなければいけないのはどちらも専門性を持っているのが前提です。どれだけ深い専門性を持っているのか、どれだけ広く専門性を持っているのか、という分類であり、専門性は必須です。
また、スペシャリストかジェネラリストか分類しているものの明確な境界線はなく、深さか広さのどちらに偏っているかであり、深さと広さの両方を持ち合わせるのが理想だと思います。
本当に優秀だなぁという人はどちらでも活躍しちゃいますもんね。
スキル以外
スキル以外でも価値を高める要素があると思います。
性格や雰囲気・キャラクター、考え方や価値観です。
その場でみなに好かれる人って必ずいますよね。チームの雰囲気を良くする人や盛り上げる人。それはスキル以外ので価値を高められる要素だと思います。
ちょっとした例ですが、とても気が利く人はお客さんや同僚にとても喜ばれますよね。仕事の進め方や人としての付き合い方など、その人との接点でそいういうのって感じます。
すると、すごく気の利く人として周囲から一緒に仕事したいと言われたりするわけです。
非常に大事だなということは、
人間はロジックでなく感情で物事を評価する
という点です。
思い浮かぶのは、サッカー元日本代表の中田英寿さんですかね。当時の日本サッカー界では基礎技術の高さ、戦術眼、フィジカル、経験、存在感すべてが突出した存在でしたが、引退直前の日本代表では実力ほど活躍できなかった印象です。
(素人目に見ても実力も実績も飛び抜けていたと思います)
推測の域はでませんが、のちに出たコラムや記事など読むとその圧倒的な姿勢や存在に周りがついて来れなかった部分がかなりあったように読み取れます。
これはまさにキャラクターと後述するポジションによって本来の価値が発揮できなかったパターンと思っています。
人間の好き嫌いは本当にあなどれない要素。
ただ、在宅勤務が普及し始めると人間関係が希薄になり、この点で価値発揮することが少し難しくなってくるかも知れませんね。
ポジション
次にポジションです。ポジションによっては、特筆するスキルがなくても活躍できる可能性がありますよね。
ボクシングって、特別な防御技術がなくてもパンチを避けることができるんですよ。どうするか、それは立ち位置です。相手の正面に立たなければパンチは基本的に当たらないんです。これってまさにポジションの話ですよね!
そういった意味では、価値を劇的に高めることができるレバレッジが効くのはポジションです。必要とされる場所を見極めて、そこに位置取りするのが大事だなと思います。
広い意味でのポジション
業界全体や、他業界も視野に入れた中で必要とされるポジションを見つけることが大事だと思います。
とはいっても、学生の頃から働くことについてしっかり考えていないと広い意味でのポジションを計算するのは難しいかも知れませんね。稀にそのような人がいますが少数派なのかなと思います。
僕の場合も「これからはITだな」とあまり深く考えずにシステムエンジニアになったので、運の要素は非常に強いという感想です。
ただ、ある程度業界が見えてきたらその中でキャリアチェンジすることはできますよね。
僕の場合はシステムエンジニアからディレクターにキャリアチェンジしたわけですけど、「システムを作れる人はたくさんいるけど、どう作ってどう使うかを考えられる人は少ないぞ」という業界傾向が見えたのがキャリアチェンジの理由でした。
このように、業界の中で特に必要とされる場所に身を移すのはいいポジションを手に入れる一つの手です。
また、とある専門性をもって別業界にキャリアチェンジするのもありですよね。
狭い意味でのポジション
自分が身を置く職場の中でのポジションを見つけることも大事だと思います。
顧客が求める通りに一定のスキルを発揮できたら「必要な人」になるかというと必ずしもそうではないんですよね。なぜなら、だいたいは競合がたくさんいるからです。
僕のような凡人ですと、悲しいかな同じようなことができる人は社会にたくさんいるんです。
そんなときは、みながやりたがらない仕事やかゆいところに手が届く仕事をすることだと思っています。これは僕の感覚なので、人それぞれ勝ちパターンがあると思います。
要は、その職場で空いているポジションを取ることではないでしょうか。
僕は基本的に「お願いされたことは断らない」というスタンスで仕事をしています。(あまりにパンクしそうなときは断りますけどね…)
また、立場や役割に関係なく意見を伝えることも心がけています。
このスタンスがどのように作用したかは分かりませんが「牧野さんしか出来ないと思って声を掛けた」と仕事を頂くことが何度もありました。
そんなときに僕は断らないので、しばらくするとまた似たようなお誘いが来るんですよね。
そして、そのような仕事というのは、なかなか経験できないことばかりなんです。
こうして良い循環が生まれ、どんどん良い仕事が来るのだと信じて、これからも同じスタンスで仕事していきたいと思っています。
この例は僕自身の話ですので、周囲で難しい仕事をしている人や重宝されている人がいれば聞いてみるのがいいかもしれません。
職場一つとっても、よいポジションを取れればできることが少なくても価値が高まるんじゃないかなと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
価値の高さ = できること × ポジション
改めてこちらを参考にしてもらえると書いた甲斐があります!
最近勉強したのですが、経営戦略論のリソース・ベースト・ビューとポジショニングの考え方が非常に参考になると思います。
同じようなことをより信頼できる方々が言っていますので、良い裏付けになるのではと思っています(笑)。
個人的な感覚では、僕のような凡庸な人間の場合、ポジションをとるほうが価値を高めるには効果が高いのかなと感じています。
なにかで突き抜けるのは向き不向きもありますし、時間も掛かる。そして一定以上は余剰スキルになることが多く、競合も多いです。
一方で、ポジションであれば比較的ハードルが低いように思います。よく観察すれば見えてくることも多いですからね。
もし、価値の高まりに行き詰まっているようでしたら、周りを一度見てみてはいかがでしょうか。
ただし、「価値」というのは必要とする人がいなければなくなってしまう相対的なものですから、できることもポジションも確認を怠らず、状況に応じて変化していかなければいけません。
このように考えてみると、走り続けなければいけませんね(汗)
たまには忘れて休息も取りましょう。
拝啓、システムエンジニアさまへ
システムディレクターというのは、現時点で非常によいポジションの仕事だと思っています。
興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
オフショア開発を始め、システムを作るハードルというのは確実に下がってきていますし、今後はノーコードやローコードの台頭により、より作るハードルが下がってきます。
システム開発の需要はしばらく伸び続けると思いますが、一方で、システムの作り方や使い方を知っている人は足りていません。
今後はより抽象的な仕事(いわゆる上流工程)の価値が増していくのに、人は足りていないのです。
※ここに詳しく記載しています。
https://note.com/yasumasa_makino/n/n05fe0dab2548
競合がたくさんいるシステム開発より、今お持ちの開発スキルを効果的に価値発揮できるのがシステムディレクターだと思っています。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。