若手必見!経営者が教える「ホウレンソウ」の本当の意味と正しいやりかた
社会人になると必ず教えられる「ホウレンソウ」。
「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとって「報連相」ですね。
みなさんご存知ですよね?
この「ホウレンソウ」は間違っています!
この記事を読んで認識ががらっと変わること間違いありません。
僕自身、新卒で教えてもらった「ホウレンソウ」をずっと意識して働いてきました。
そしてここ数年、若手に教える機会が増えてきたこともあり、改めて理解するために言語化を始めたところ、間違っていることに気付いたんです。
この記事で言いたいこと
「報連相」の「連」は間違っています。正しくは「共有」です。
理由
「連絡」の目的は「伝わること」そのものを指します。
「伝える」目的はありません。
仕事においてはなぜ伝えるのかという目的の伴った行動が求められます。
そのため「連絡」は「報連相」の中で「報告」「相談」とは少し質が異なるものなのです。
ぜひ理解して帰ってもらえるとうれしいです。
「ホウレンソウ」の分解
一つずつ言葉の定義とともに仕事での目的を整理していきます。
報告
言葉の定義
②が仕事の中の「報告」に近いですね。
軍隊の指揮命令系統の名残でしょうかね。組織の機能として必要とされていることが分かります。
① 告げ知らせること。また、その内容。知らせ。報知。報道。※随筆・守貞漫稿(1837‐53)四「棒の一端前の方に一風鈴を垂れて往来呼ずして衆人に報告す」 〔漢書‐王莽伝・上〕
② ある任務を与えられた者が、その用務の情況・結果などを述べること。復命。
コトバンク https://kotobank.jp/word/%E5%A0%B1%E5%91%8A-627512
仕事での目的
自分の状況を周囲に知らせることで、チームの機能を最大限にすること。
チームや誰かと一緒に働くと、自分には見えない仕事や危ないポイントがあります。
スキルや経験・知識が低ければ低いほど見えないものは多くなります。
そこで自分の状況を知らせることで、よりスキルの高い人や経験・知識が多い人が自分の見えてない部分を拾ってくれます。
チームの機能が活かせるというのはこういうことですね。
若手や経験の浅いメンバが上司やマネージャーに報告するのも同じ理由です。
言葉の定義とそんなにずれてないですよね。
相談
言葉の定義
一方通行ではなく、双方でやりとりがあるような内容です。
本質的な内容だなと思いました。
〘名〙 どうするかを決めるために話し合うこと。話し合い。談合(だんごう)。
コトバンク https://kotobank.jp/word/%E7%9B%B8%E8%AB%87-552868
仕事での目的
自分以外の人から違う視点や意見をもらい、考えを前進させること。
また、自分を知らせておくこと。
- 方法が分からないという具体的シーン
- 正解はないけどどちらかを選ばないとき
- 考えがさっぱりまとまらないとき
様々なシーンがありますが、まとめると自分の考えについて他人から違う視点や意見をもらうことです。
相談ごとは「なにから考えればいいか分からない!」という発散フェーズのものもあれば、「この最後の二択をどうしようか」という集約フェーズのものもあり、どちらも相談してOKな内容です。
大事なのは考えが進むことです。
加えて、自分の状態を知らせておくことも目的になります。
相談の場では、自分の悩みポイントや考え方、ときには心境などを交えて話します。
相手は、自分の性格や得意不得意を知ることになりますので、その後の仕事が円滑になることも多くあります。
(仕事の進捗や健康面でリスクがある場合も、相談の場でキャッチできることがよくあります。)
このように書いてみて、言葉の定義は本質的な内容だなと思いました。
こちらも言葉の定義とずれていないと思います。
連絡
さて、問題の「連絡」。
言葉の定義
「知らせる」「接続する」といった行動を指すようです。
[名](スル)
コトバンク https://kotobank.jp/word/%E9%80%A3%E7%B5%A1-662336
1 関連があること。「一見何の―もない二つの事件」
2 気持ちや考えなどを知らせること。情報などを互いに知らせること。また、その通知。「―をとる」「本部に―する」
3 二つの地点が互いに通じていること。また、異なる交通機関が一地点で接続していること。「私鉄と―する駅」「―橋」
仕事での目的
何度考えても、目的ってなんだろう?ってなるんですよね。
言葉の定義にあるように、連絡というのは本来「何かを伝える」「何かと何かを接続する」という行為自体を指すので目的がそこに存在しないように思います。
言うなれば、「伝わること」「繋がること」が目的です。
一方で「ホウレンソウ」の「連絡」の本来の意味は、フィードバックを求めない周囲への周知です。
目的はというと、必要かもしれない自分の状況をただ知らせておくこと。
一見「連絡」と同じように見えますが、目的は自分の所有する情報を誰かとシェアすることです。
ただ伝えることとシェアすることでは全く意味が異なりますよね。
もっと言いますと発信者の意思が含まれるか含まれないかが大きな違いです。
じゃあ正しい言葉は?
受け取った側がその情報をどう使うかは分からないけど、困る人は助かるかもしれないし、知って困る人もいないという、受け手からフィードバックを期待しないファジーな、余白のある連絡行為なんですよね。
この行為が一番しっくりくるのは「共有」です。
引用元の説明が「モノ」に寄っていますが、一言でいうと「所有者みなが使える状態」です。
https://kotobank.jp/word/%E5%85%B1%E6%9C%89-11986
「使える」なので使わなくていいんです。そう、受け手がどう使うかは範囲外。
(カーシェアなどを想像してもらえると分かりやすいかもしれませんね)
だけど目的は、提供した情報を使ってもらうことです。
したがって、受け手としては発信者の意思を感じることになりますので、次のアクションも明確になるわけです。
僕の経験上、これまでの「連絡」って、発信する側も「とりあえず言っとけ」だし、受け取る側も「へぇ」で終わってたように思います。
意思をしっかり込めることで、コミュニケーションや仕事が円滑に進むことは間違いありません。
例
すごく単純化しますが、休暇を取るシーンで例えてみましょう。
休暇を取る人をAさんとします。
- チームへの影響が大きいと思う休暇を取りたい場合はまず「相談」します。
Aさんはチームへの影響が本当に大きいのか上司やマネージャーに確認する必要があります。
大きい場合、上司やマネージャーは休暇中の引き継ぎ先を検討したり、場合によっては休暇が取れないかもしれません。
また、相談を受けた側もAさんの状況を知ることができます。
体調が悪いのか、プライベートに問題があるのか、責任感の有無、状況をちゃんと把握できているか、などなど様々です。 - チームへの影響が大きい休暇を取ることが決まった場合「報告」をします。
休暇を取ることが決まれば、Aさんは関係者に報告します。
場合によっては相談を受けた側が事前にキーマンに相談・報告していることもありますね。
報告は決定事項であることが基本です。
報告を受けた側は、その後の対応を決定したり、潜んでいるリスクについて検討したりします。 - 休暇が小さい影響である場合は、「共有」になります。
Aさんは上長を含めたチームメンバーや関係者に情報共有します。
もしかしたら困るかもしれない、という人が共有のターゲットであることが多いです。
「困ります?」というコミュニケーションはかなり手間なので、ひとまず共有して反応を待つこともよくあります。
決定事項についてリスクが小さいと判断したときに「共有」するのが基本です。
共有を受けた側で、影響が大きい人はAさんに「こんな影響があるぞ」と反応します。
そこで影響が大きければ、また「相談」から始まるもあります。
(おまけ)Wikipediaへの意見
ふと気になりWikipediaを調べてみると、こうあります。
ここについても思うところがありますね。
報告
Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%B1%E3%83%BB%E9%80%A3%E3%83%BB%E7%9B%B8
部下が上司の指示に取り組みつつ、途中経過を報告すること。
連絡
自分の意見や憶測を含めない関係者への状況報告。
相談
自分だけで業務上の判断が困難なとき、上司に意見をきくこと。
全体的に目的が書かれていないですよね。
ここに、分かりづらさがあるように思います。
また、上司と部下の関係に限定されていますが実際には上司から部下への相談もありますし、チームメンバー同士の報告もあります。
なんとなく新入社員向けに分かりやすく表現されているのかなと思いますので、年次を重ねる中で認識をアップデートしないと機能しない内容だと思います。
まとめ
「報告」「連絡」「相談」は正確ではない
「報告」「共有」「相談」が正確です。
連絡は「伝わること」を目的としたただの行動
実は「報告」「共有」「相談」はすべて「連絡」です。
「連絡」の中で、目的がそれぞれ異なるのが「報告」「共有」「相談」です。
仕事には目的が必ず存在する
仕事の最終目的は「価値」を生み出すことです。
本来、仕事は「価値」を生み出すことを目的に全員が行動しなければいけません。(とはいっても理想であることも十分理解しています。)
「価値」が利益を生み出すからです。
そのように考えたとき、「ホウレンソウ」という言葉自体に意味はなく、「なぜそれをするのか」を考えることがとても大事です。
最後に
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