背景
テキストコミュニケーションが主になってきている時代で、双方の理解がほぼないままテキストによるやりとりで思ってもみない印象や軋轢を生むリスクが増していると感じる。
また、口頭でのコミュニケーションも同様で、顔出しなしのオンラインMTGにてお互いによく知らないままやりとりすることも増えた。
そこで、リスクのない言い回しや書き方のTipsが意外に求められているのかもと思った。
この型で何ができるようになるか
コミュニケーションにおいて地雷を踏まないようになる。 (ここでの地雷とは、本来踏まなくてもよい相手の不快ポイントを指す)
こちらのミスで再度作業依頼しなければいけないときに、丁寧に依頼できるようになるとか。
この型が具体的にどのような人、場面に役立ちそうか
- Slackなどのチャットコミュニケーション
- 顔出しなしのオンラインMTGで質問や指摘をするとき
型
Tips
- 基本姿勢
- 主観と事実を切り分けること。その上で、主観+断定を避ける。
たぶんこれが一番の軋轢の元。- 主観とは
- 自分の評価
- 分かりづらい、イケてない、見ずらい、読みづらいなど「あなたの感想ですよね」系。
- あるべき論
- こうあるべきだ、なぜ◯◯でないのか、という理想論。軸に必要ではあるがビジネスでは様々な制約で今の形になっているため、理想論は意味をなさない。
- 事実誤認の可能性無視
- 〇〇について記載がありませんが、と自分がすべて情報理解できていると考えてしまう。よく見ると相手のテキストに言及があったり、リンクを見逃していたりする。
- 自分の評価
- 主観とは
- 教える系は気をつける
- 人がなにか教えるということは、立場に上下がつくことを意味するので、相手が不快な思いをする可能性がある。
- 相手のプライドを傷つけない。
- 過剰にならない程度に詳細を書く
- 主観と事実を切り分けること。その上で、主観+断定を避ける。
シーン | 有効シーン | 言い回し | 効用 | badケース |
相手の認識が間違っていそうで確認したいとき | 口頭 テキスト | 〜と認識しましたが、合っていますでしょうか?違ってたらすみません。 | さきに一言下げておくことで、マイルドになる。 | 〜とのことですが、認識が違っていると思います。 |
念のため質問をするとき | テキスト | でしょうか。 (?を付けない) | ?が続くと問い詰めているような印象になるので、別の言い方で重ねて念のため質問をするときは?を。にするとソフトな印象に | 〜は◯◯のことで合っていますか?その場合、▲▲になるはずですが合っていますかね? |
共有ではあるが念のため確認したいとき (確認に近い共有のとき) | テキスト | 〇〇について共有です!念のため期日までに過不足やご指摘あればコメントいただけると助かります。 なければこのまま後続の{次のステップ}対応を進めます。 ◆希望期日 mm/dd | 特に観点はありますが、確認をお願いします。 (なんのための確認?) | |
相手の記載で理由が判然としない場合 | 口頭 テキスト | 理由についてもう少し詳細を教えてください。というのも〜と考えました。 いかがでしょうか。 | 「なぜ〇〇なのですか?」という質問は、その裏に「こうあるべきなのに」が出がち。 | なぜ◯◯なのですか?本来は▲▲のようにあるべきと思いますが、違うのであれば教えて下さい。 |
回答がない場合のリマインド | テキスト | 認識されてたらすみません。リマインドのご連絡です。 | テンプレートとしてそのまま使える。 | 期日が◯◯までですので、忘れずに対応してください。 |
こちらが負担など掛けてしまい申し訳ない気持ちがあるが、謝るのも違うなと思うとき | 口頭 テキスト | 大変恐縮ですが | あまり接点がないひとや、ビジネス上簡単に謝れないケースで使うとマイルドになる。 | 申し訳ありませんが |
なにか相手に依頼するとき | 口頭 テキスト | お手数おかけしますが、 大変お手数ですが、 お手数おかけして恐縮ですが、 | なくてもトゲはないが、あるとソフトになる | |
自分の責任範囲ではないが寄り添う言い方 | 口頭 テキスト | もしお手伝いできる部分があれば遠慮なくおっしゃってください。 | 「手伝いできる部分」と言うことで相手が主体であることを明示しつつ、協力姿勢を示すことができる。 | 私が対応します。 私はどこまで対応すればよいでしょうか? |
期日をこちらが設定した場合のお願いの言い方 | テキスト | ◆希望期日 9/5中迄 ・期日背景 後続に〇〇の対応があるため (期日が短い場合は後続に「〇〇の対応があるため短納期で申し訳ありませんがお願いいたしますなど一言入れる) | もし事前に会話できずこちらから期日設定する場合は、こちらが依頼する側になる必要があるので、相手からの調整余地を残し一方的に依頼しない。 調整不可な依頼であればその旨を期日背景に書く。 | 期日は下記とします。 |
タスクを引き取るときの言い方(相手が工数溢れパターン) | 口頭 テキスト | 期日が迫っているので、ちょっと急ぐ必要がありそうですね。 一緒にやりますよ。 ↓ ここたまたま僕が詳しいので引き取っちゃいますよ! ↓ (謝罪されたら) 今度僕が無理なタスクあったら助けてくださいね👍 | 一緒にやる、と言いつつ中身を確認して状況やばそうだったら重要部分を引き取ってしまう。 一緒にやる、の入りであれば相手のプライドも守れると考える。 | |
タスクを引き取るときの言い方(相手がスキル不足パターン) | 口頭 テキスト | 期日が迫っているので、ちょっと急ぐ必要がありそうですね。 一緒にやりますよ。 ↓ 慣れないとちょっと難しいタスクですが何度か似たようなタスクの経験あるので引き取っちゃいますよ! ↓ (謝罪されたら) 今度僕が無理なタスクあったら助けてくださいね👍 | 同上 | |
失敗原因の聞き方 | 口頭 | (自分もチェックしていたら) 指摘できなくてごめんなさい。 〇〇さん個人ではなく仕組みに問題があります。 (共通) 再発防止のためには、仕組みを改善する必要があると思っています。なので個人を責める意図はありません。(仮に一人で作業してミスったとしたら、チェックの仕組みがなかったことが悪) という前提で、失敗した原因を一緒に探りましょうか。 | 個人ではなく仕組みにフォーカスしている姿勢を表明することで、個人攻撃に警戒する相手に安心感を与える。 | |
自分のタスクが溢れている、や自分が担当でなく対応する余裕がないときの確認の仕方 | 口頭 テキスト | ご依頼の優先度はどれぐらいでしょうか? 申し訳ないのですがいま優先度高いタスクを対応していて余裕がなく、もし他に対応できそうな方いたらそちらにお願いして頂けないでしょうか。 もし他にいなければ、僕のタスク調整も必要ですので一緒に上長に相談しましょう。 (部署が異なれば双方の上長に一緒に相談) | 客観的な尺度のタスク優先度にフォーカスすることで、主観を排除できるしチーム全体の話になるので上長を巻き込める。 |